1日目(9月2日金曜日)〜物知りタンカス。

ヴァカンス=南の島、という発想しかないわたくし、今回はバリ島にいたしました。「夏、キマリ!」で「秋、もっと安し!」な旅行会社のパンフの写真で一目見て「ここがいい!つうかここしかない!」と決め込んだ「コンラッドバリ・リゾート&スパ」つうホテルに泊まるのです。相方は間違いなくその日まで自分がどこに連れて行かれるのか全く理解していない様子でぼんやりしていました。男の人って旅行に対してみんなこんななのか?
朝11時に成田発のガルーダ・インドネシア航空GA881便に乗り7時間の空の旅。ガルーダ機に乗ったらインドネシア・ポップスを聴くゼ!と楽しみにしていたのに、機内ラジオはチャンネルもヴォリュームも変えられず、ずっとオレンジレンジとか大塚愛とか日本のポップスがゆるーく流れてました。ここもチームマイナス6%加入かと思うばかりの空調で、寒がりのわたくしは快適でしたが暑がりの相方はかなり辛そうでした。その上機内食はいきなりウナギ! 「機内食は〜肉か魚か〜♪」とクレイジーケンの歌声が頭ん中を流れていましたが、肉も魚も選べずいきなりウナギ。まあ良しとします。
まるで海の中にそのまま降りるんじゃないか?と思うばかりの着陸をしたのがデンパサールのングラ・ライ国際空港。旅行会社のパンフや図書館で借りてすっかり読み込んだ「地球の歩き方」によれば、ングラ・ライ国際空港は悪質なポーターが多いので気をつけるんだゼ!ということだったのでいきなり超警戒態勢のわたくし。何事もありませんでしたがイミグレの係員までがエステだのオプショナルツアーだののパンフをパスポートに挟んで返してくれるのには少々閉口しました。
空港まで迎えにきてくれたのが現地係員のタンカス君。ロナウジーニョをちょっと抑えめにしたみたいな、基本的に笑い顔の愉快な若者です。「タンカス、痰のかすじゃないねー」から始まり、日本語が達者なことといったらそれはそれは見事で、もんのすごくことわざをたくさん知っていました。「夏は忙しくてネコの手も借りたいねー」「バリの雨はそれはそれでいいね。何故なら雨降って?(ここでふってきたのでわたしらも一緒に)地固まる!」。「日本語上手ですね」と言ったら、「それほどでもありません。おっとこれは謙遜ねー」とホテルまでの車の中はずっとこんな調子。ついには「マイケルジャクソンの好きな色はー?(ここでまたふられるので一緒に)アオ! 」。ダジャレもかよ。
しかしそんなことわざオンパレードの車内ではあったのですが、バリの交通事情はマジおそろしかー。日本と同じ、車は左側通行なのですが、車線とか全く関係なしにどんどん追い越す、割り込む。対向車線に思いっきりはみ出して追い越すので正直ことわざどころじゃありません。バリはバイク文化で、電車がなく自家用車は超高い(200万近くするらしい、経済状況考えたら2000万円ぐらいの価値なのかも)のでみんなどこに行くにもバイク。しかも家族みんなで楽しく一緒に乗る。運転するお父さんの前にまず子供1人、そして後ろに乗るお母さんが更に子供抱いてるとか当たり前。しかも近場だったらノーヘルだし。
そんなこんなで笑ったりびくびくしたりしていたらコンラッドに到着。ロビーからはプール越しの海! これだよこれ、この写真見てここに決めたんだよ*1 
コンラッドヒルトン系列の最上級クラスとかで、つい先日汐留にも「コンラッド東京」がオープンしましたね。ヒルトンてことはあたしらの払ったお金のいくらかがパリス・ヒルトンの耳飾りなんかになるのかしら、と少々複雑な思い。
ホテルのスタッフはみな白いタイトなTシャツにベージュの麻パンツ、というカジュアルかつ清潔感溢れる格好。フロントから*2レストランからお掃除のおばさんまで基本的にみなお揃い。これがなかなか素敵。部屋に入ると「コンラッド・モンキー」つうこのホテルのマスコットのお猿さんが迎えてくれました。コンラッドはみなホテルごとにマスコットの動物がいて*3、そのぬいぐるみは持って帰っていいのです。ついでにお風呂で遊ぶ(のか?)亀さんもプレゼントです。ああしかしバリではこの猿が後々大変なことをしでかしてくれるとは、この時は予想だにしなかったのだ!
この日はもう夕方だったのでホテル内で食事をすることに。コンラッドがあるヌサドゥア・ブノア地区は、インドネシア政府の肝いりで観光開発した土地柄故、基本的には豪華ホテル内で全てが片づくようになっております。しかしホテル内での食事は普通に高いです。プールサイドのレストランでナシゴレンとチキンライスをそれぞれ頼み、ビールとジンジャーエール飲んだだけで5000円近くかかります。何だそれじゃあ日本と変わらないじゃないよ?と思ったのですがケチャックダンスを生で観られたので良しにしました。
バリのコンラッドも昨年出来たばかりなのですが、あまりに清潔でシンプルで、ある意味あまりバリっぽくはありません。ガムランの生演奏でお出迎え、とかもないし。お部屋はシンプルでバスタブもおぼれるほど広く、シャワールームやトイレも別になっていて使いやすい。
さあて。明日から何しようかな。ローカルのテレビ局でドラマらしき番組を観ていたら、途中でいきなり途切れてお祈りらしき文言と曲が流れ出しました。しばらくしたら元のドラマに戻ったんだけど、お祈りの時間だったんだろうか。

*1:写真は昼のものです

*2:フロントだけはその上に白い襟付きシャツをさらりと羽織る

*3:コンラッドバンコクなら象、コンラッドシンガポールなら熊