4日目(9月5日月曜日)〜マトゥール スクスマは、ありがとうの意。

この日もひと泳ぎしてからプールサイドのレストランで朝食を頂いていたら、蓮の花が咲いていました。鮮やか! この色大好きなんですよね。気づけば携帯も手帳もiPodもみんなこの色。(http://d.hatena.ne.jp/sayokom/20050217#p1参照)
朝食ビュッフェは朝7時から11時までやっているので、「朝食前に泳ぐ→しこたまビュッフェで食べる→だらだら過ごす→早めの夕食」というスケジュールに。これだと昼ご飯いらないじゃん! 健康的(ではないと思う)かつ経済的! 
朝食後はプールサイドの木陰に見つけた卓球台で、リゾート地とは思えないほど真剣に卓球をやる。もちろんスマッシュも撃つ! 「たッ」と叫びながら! そしてボールがあらぬ方向に飛んでゆきくつろいでいる皆々様のデッキチェアの下を探す羽目に。
そうこうしているとどこからともなくリズミカルな曲とかけ声が。何だろ?と音のする方へ行ってみると・・・プールサイドでエアロビクスやってました。いわゆるアクアビクスというヤツですね。何だか楽しそうだよ? どうする行ってみる?と間違いなくそういうことが苦手そうな相方に尋ねてみると「行ってみよか」という珍しく前向きな返事だったので、嬉々として飛び込んで行ってみた! 朝から水着は着込んでいるからタンクトップ脱いでそのまま飛び込んだ!
これが楽しかったんだなあ。他の参加者は圧倒的に日本人ばかりでしたが、水の中で走ったり、みんなで手をつないでぐるぐる廻ったり、そんな些細なことがとても楽しかったです。しかしわたくしご承知の通り背が低く、他の皆様よりカラダが水に潜っている部分が多いので、プールの端から端まで走ったりするのは案外大変でした。ちなみにエアロビの曲ですけど、単純なリズムの上にタイタニックのテーマとかありがちな曲をサンプリングしてあるんですけど、気づいたら「昴」になってました。バリ島で「昴」でアクアビクス。なかなか乙です。まあこのアクアビクス、あんまり楽しかったので滞在中何と3回もやることになるんですけどね。
さてアクアビクスに満足し、海でも沖のブイまで泳いでみたり(もちろん他にそんなにガツガツ泳いでいる人はいません)したのですが、せっかく南国まで来たんだからやっぱり綺麗なお魚とか見たいなー、という気分に。プールサイドの「ウォータースポーツカウンター」で「この辺りの海でシュノーケリングしたらお魚いる?」と聞いてみると、「この近くの海には魚はいないので、ちょっと船で沖までいけば見られるよ」とのこと。閉所恐怖症で魚が怖く鼻に水入ったりするのがイヤで要するにダイビングのありとあらゆるものが苦手、という連れ合いを「シュノーケリングは怖くないよ大丈夫だよ」と丸め込むことに成功し、行ってみることにしました。
しかしよくよく聞いてみるとシュノーケリングの道具を借りるだけなら大した値段じゃないのですが、グラスボート代がかかると2人で5,000円以上することに。それは何だかバカらしいと思い「じゃあいいや」と言いかけたら、お兄さんが電卓をパチパチ弾いて「これでどう?」と半額にしてくれました。2人で1人分の値段に! しかもちゃんとしたホテル内のアクティビティカウンターなのに! わあいやったあ。是非皆さんも参考にして下さい。
さて相変わらず不安そうな連れ合いと共に、ちゃんと救命胴衣を付けてシュノーケリングセット持ってグラスボートに。日に焼けた頼りがいのありそうなおじさんの運転するグラスボートに乗って、ヌサドゥアの沖合に出ます。結構スピード出してびゅんびゅん走っていたのですが、しばらくするとおじさんが「下を見ろ」とのジェスチャー。うわあ、もうお魚いっぱいいるよ。サンゴ礁だよ。
ほどなくして同じようなボートが何艘かいるあたりでイカリを降ろし、海へ。救命胴衣は付けたままなので沈まない。水はそんなに抜群に透明、というほどではないですが、底にあるサンゴまでよく見えます。魚は小さくて黄色と黒のシマシマのが群れをなしておりました。あと時々長細くて水色と紫のグラデーションみたいなのも横切ります。底の方には真っ青で小さいのもいます。すみません魚の名前が何一つわかりません。夢中で潜っているとずいぶん船から離れておりました。殆ど潜らずにぷかぷか浮いている連れ合いとグラスボートの船頭さんが「おーい」と呼んでおります。
時々腕や足がチクチクする。魚が噛み付いているのかと思ったらそんなことはない(だいたいそんなに美味そうじゃないよ私)。クラゲがいる様子もないので、プランクトンとかなのかな? 連れ合いは全然気にならないと言っていましたが。
30分くらい潜って(浮かんで)たかしら。満足しておじさんに船へ引っ張り上げてもらい、また岸へ。遠くにかなり高い山が見えます。バリ島で一番高い山、アグン山なのかもしれませぬ。
プールサイドに戻ってみると水が冷たかったのとちょっと船酔いしたのとでいきなりガクンと疲れてしまい、こんこんと寝てしまいました。連れが言うには大丈夫か息してるか?と思うくらい顔色が悪かったらしいです。こういうことはよくあります。ていうか限度を知らず遊びすぎます。
しばらく寝たら気分も良くなり、サーヴィスで配っていたフルーツなんかをつまんだりしながらデッキチェアでごろごろしていたら、スタッフが「16時半からエアロビクスやるから来ない?来ない?」と勧誘しにきた。ええまたエアロビやるの?!と思いながらも笑顔で「やります」と言ってしまう私たち。ということで午前に引き続き午後もアクアビクスを。何ていうかマジメだなあ私たち。
9月のバリは日中はからりと晴れて暑いのですが、夕方からは風が吹き涼しくなります。プールを引き払った私たち、ホテルの外に散歩に出てみました。ホテルから1歩外に出ると、なかなかスリリングな世界が広がっています。別に怪しい人がいるとか物売りがしつこいとかそういうことではなく、狭く舗装もええ加減な道路をバイクが猛スピードでガンガン走っているという。歩道も殆どないので、そういう意味でスリリングというわけです。いきなりホテルを出た瞬間に道路を渡るタイミングがなく、呆然としていたらホテルのガードマンさんが車を停めて横断させてくれました。ホテルから一歩外に出れば、そこはもう隔離されたリゾート地ではなくバリの人々の生活があるわけで、当然のことなんですけどね。
ヌサドゥア・ブノア地区はリゾートホテル以外には買い物するところもレストランもあまりない、と基本的には言われていますが*1、初日や前日ジンバランへの行き帰りの道中でそれなりに何かありそうだなーとは思ってました。まずコンラッドの前にはやたら大きくて綺麗なギャラリーがあったのですがそこは素通りして、「CD&DVD」と看板が出ているお店に入ってみました。外国にいったら現地のアーティストのCDを買おう、というのはベトナムでもシンガポールでも試していたので、全く下調べもしていなかったんだけど何か綺麗なお姉さんのCDを買ってみた。帰国して調べてみたら「クリスダヤンティ」というインドネシアでは超有名な美人歌手らしく、サウンドもかなりあか抜けていました。しかも「アジア・バグース」出身なんだって。いやあ懐かしい! 見てましたよ。「アジア・バグース」とか、関根勤さんと小林聡美さんがやってた「超アジア流」とか、10年くらい前にはアジアのポップカルチャーなんかを紹介する番組が深夜枠でけっこうあったんですよね。そうそう、バリでインドネシアローカルのテレビ番組見ていたら、音楽番組の司会をナジフ・アリがやっていてこれまた懐かしかったです。
通りを歩いているのは観光客はおろか現地の人すら見あたらず、タクシーが毎度止まりかけるのを「違う違う」と断りつつ、バイクにはね飛ばされないようにビビりつつ歩いていると、スーパーマーケットを見いつけた。「ABCマーケット」という食料品から洋服から靴から空気の抜けたバスケットボールから何でも売ってるスーパーで、ここで嬉しくなってインスタントラーメンとか怪しいお菓子とかをざくざく買う。連れ合いはあまりにタバコが安いのでこれまたざくざく買う。わたくしは怪しくて可愛いTシャツを見つけたのでこれまた買う。スーパーの手提げ袋にいっぱい買っても全部で1000円もしませんでした。ちなみにTシャツの絵柄ですが、「えーと、キャンベルスープかな?」みたいな柄です。嬉しくって帰国してすぐ着ていたら、3回くらい洗濯した段階で既に袖がもげそうになってます。ええ感じです。ちなみに300円くらいでした。
バリは犬が多く、またどいつもこいつも痩せていて、別に人に飛びかかったりするわけでもないので怖くはないんだけど、この危険極まりない道路脇にもふらふらしているので危なっかしくて仕方ない。前日のマブダチによればみんな野良犬というわけでもないようで、例えばマブダチも2匹犬を飼っているらしいのですが昼間は放し飼いで夜だけお家に入れるんだって。それは飼っているというんだろうか? バリでは犬を食べる地域もあるらしいのですが、「ボクは飼っているからやっぱり可哀想で食べないですねー」と言ってました。ちなみにネコは極端に少ないらしい。確かに滞在中一度もネコは見ませんでした。ニワトリも放し飼いなんだか飼われてるんだかわからないけど結構見たし、ウルワツの山頂では牛も見た。犬たくさん、サルはもっとたくさん。
もうこれ以上こんな緊張感溢れる道路を歩き続けられないわ、どうしましょうと思ったあたりで一昨日行った「ケンディ・クニン」の看板を見つけた! ああ良かった一安心、でまた同じレストランに行ってしまいました。
この日は日本語を喋る若い男の子のボーイさんが注文を取りにきてくれ、とてもその子が親切で可愛くて感激しました。前に来た時とは別のモノを食べてみたのですが、チキンスープの「ソト・アヤム」も、ココナッツ風味の「シーフード・ラクサ」も凄く美味しかった。その背の高いボーイさんによれば、ここ「KENDI KUNING」は5月に出来たばかりらしい。どうりでガイドブックにも地図にも出ていないわけですよ。この日も大満足のディナーでした。
インドネシア語で「ありがとう」は「トゥリマカシ」(マブダチによれば「とうもろこし」)と言うのですが、バリ語では「マトゥール スクスマ」と言うんだそうです。この男の子が教えてくれました。美味しかった、マトゥール スクスマ。
ホテルに帰ってラウンジで一杯飲んで、おやすみなさい。カクテルグラスは私の顔より大きかったです。

*1:このあたりのランドマークだったらしいギャラリア・ヌサドゥアは現在改装工事中で閉鎖してます