3日目(9月4日日曜日)〜サル200匹、唄えば侍!by長渕剛

バリ島も3日目です。
前日の学習効果により、この日は朝ご飯を食べる前にビーチサイドのパラソルとデッキチェアを押さえました。その上朝食前に一泳ぎいたしました。何という健康的! 昼過ぎに起き夜中にラーメンを食べてから寝る今の私に見せてやりたい!
コンラッドにはスパ併設のものも含め3つのプールがあるのですが、一番広くて気持ち良いのが、いわゆるラグーンプールという代物です。ホテルの庭じゅうをぐるりと一巡りするような形のプールで、浅瀬には砂が敷き詰めてあって子供が砂遊びしたりしてます。で、デッキチェアでくつろいでいると、毎日冷たいミネラルウォーターと冷えたおしぼり、ほてった肌を優しく冷やす化粧水のスプレーをカゴに入れてサーヴィスしてくれます。タオルも頼めばいくらでも新しいものを持ってきてくれます。ちなみに各部屋には大きな手提げカゴバックが置いてあるので、それに私物を入れてホテル内は自由に持ち歩けるし、チェックインした時にバナナの葉で出来たビーチサンダル(前日の散歩もそれで出かけてしまったくらいなのでかなり丈夫)もくれるので、日本からスリッパとかビーチバッグとかビーチタオルとか持って行く必要は一切ございません。
さらについでに書き留めておきますが、部屋にはシャンプー・リンス・石鹸・タオル・ミネラルウォーターは完備されておるのですが、何故か歯ブラシとひげそり(私が使うんじゃないわよ)は置いてない。でもフロントにお願いしたら快く持ってきてくれました。しかも初日に頼んだら、次の日から毎日新しいのをルームメイクの時に補充してくれる素晴らしさ! もちろん無料よ。
さてこの日は今回の旅行で唯一事前に頼んでおいたオプショナルツアーの日。今回はとにかくのんびりぼんやりするのが目的だったのでほとんど旅行中の予定はたてていなかったのですが、既にバリ旅行経験済みのわたくしの両親及び妹に「今度バリに行くんだけど何処に行ったらいいかね?」と尋ねたところ一斉に「海辺のシーフードがいい! あれ最高! これまであんなに美味しいシーフード食べたことない!」と揃いも揃って大プッシュプッシュの回答が寄せられました。海の幸豊かな小田原に住み、近年は美味いモンてんこもりのシンガポールに駐在しておるわたくしの両親がそれほどまでに大推薦のシーフードならばこれは行かねばと思い、その「海辺のシーフード」ことジンバランのシーフード屋台に行ってみることにしたのです。
ジンバランというのはわたしらが滞在しているヌサドゥア・ブノア地区とは反対側の、西側の海岸沿いにあります。バリには公共の交通手段がないに等しいので*1タクシーをチャーターするかツアー会社のオプショナルツアーに申し込むしかジンバランへの手だてはなく、日本でもタクシーを疑ってかかるわたくしが海外でタクシーに乗れるわけもないので、事前にツアーに申し込んでおいたというわけです。
「ウルワツ観光とジンバランシーフードBBQディナー」というのが今回のコース。ウルワツ寺院は別に見たかったわけでもないのだけど、他にジンバランシーフードへ行くコースがなく、考えてみたらば何処にも観光に行かないのでヒンズー寺院を1つくらい見ておくのも良かろうと思い、午後4時にホテルを出発いたしました。朝方「マイケルのアオ!」でお馴染みタンカス君からホテルに電話があり、他のお客さんのアテンドをしなくてはならないので「今日はボクのマブダチが行きます」とのこと。やってきたマブダチはタンカスほどお喋りではなかったけれど、気だてのよいちょっと高阪選手似のお兄ちゃんです。
初日のホテルまでの車中でタンカスから「何か買いたいものとかありますかー?」と聞かれ、今回はベトナム旅行ほど買い物欲も高くなかったので「可愛い雑貨とかかなあ」とそれとなく言っておいたら、マブダチがウルワツへの途中に雑貨屋さんに寄ってくれました。寄ってくれたって言ってもお店の中は日本人の女の子ばかりだったので、たぶんいろんなツアー会社と契約してるお店なんだろな。日本語で「安くするわよ」と囁きかける、有元葉子さん似のお店のおばさんをそれとなくやり過ごしながら布やらバッグやら腕輪やらを見ていたら、どこからかポロンポロンといい音が。何かと思ったらウチの連れがつま弾いていた椰子の実で出来た楽器なのでした。物欲が限りなくゼロに近い相方が珍しく嬉しげにしているのでもちろんその楽器は買いました。その他要らない要らないといいながらクッションカバーとかお土産用に小さなお財布など買っていたらいつの間にやらルピアが足りなくなってしまいあせった。日本円で払えたので事なきを得ましたが。
さて、そのお店からまた20分ほど走ったかしらね。ウルワツ寺院へ到着です。このウルワツ寺院はどんなガイドブックを見ても「インド洋の荒波が打ち寄せる断崖絶壁の上に立つ寺院で、ここから見る夕陽は絶品」と書いてある筈なのですが、間違っちゃいけません。確かに景色も綺麗だった(と思う)けど、ここの一番の売りはサルです。もう一度言います、ウルワツ寺院の主役はサル!
実は初日のタンカスからも「ウルワツはサルーがたくさんいるから、気をつけてね。帽子やメガネ、時計、ピアス、指輪は全部取らないとダメ。サルに取られたらまた取り返すのはとても大変ね」とたいそう脅されました。おかしいなあ、他にサルがいる寺院てのはあったような気がするけどウルワツにサルがいるって話はあまり聞かないぞ?と思って再度「ウルワツにサルがいるの?」と聞いたら真顔で「たくさんいるね。200匹はいる」と言うじゃないですか! サルが200匹いる寺ってどんなだよ?!
で案の定マブダチからも「さあもうすぐウルワツに着きます。サルがいるから気をつけて下さいね。帽子、メガネ(以下略)」とおんなじことを言われたので、わたしらは帽子メガネはもちろん、普段外したこともない結婚指輪から金歯まで(嘘)全部外していったわよ。半信半疑で。
でも本当だったのです。まずウルワツ寺院に入る前に、わたし達観光客も紫色のサロンと黄色い帯を巻いて敬意を表します。連れがスカートはいてるみたいに見えるのでわははは、とか笑っていたらいきなりマブダチが 「あそこにボスザルがいますよ」と。えええいきなりボスザル?!
嬉しくてボスザルの写真撮ってたら、次から次へとサルが現れる現れる。子ザルから大ザルまでいるわいるわの大騒ぎ。いちおうマブダチが「このお寺はむかしヒンズーの偉いお坊さんが(byコーヒールンバ)」というような説明をしてくれた筈なのですが、全然覚えていない。覚えているのはサルのことばかり。他にも日本人やら西洋人やらかなり観光客がたくさんいたのですが、我が○ISのように徹底的に「帽子、メガネは外しなさい」という説明を受けていないんだかみんなガードがら空きで、案の定あっちでは帽子を取られ、こっちではサングラスを取られ、またそっちでは髪飾りを取られしていました。 
オージーらしき男の子が彼女の髪飾りを取り返そうとしたら、そのかんざしを抱きしめて歯をむき出しにしてサル怒る怒る。おどしたりなだめたりすかしたりしてもなかなか取り返すことは難しく、最終的にはその寺院にぼんやり座っているサル使い(?)のおじいさんにお金を払い、餌をばらまいた隙にサルが獲物を落とすところを狙って取り返すことになるのです。
サングラスをgetした子ザルがその獲物に噛み付いたり眺めたりしているのが可笑しくてかなり近寄って写真撮ってたら、マブダチに「気をつけて。そのサルがさっきからずーっとあなたのカメラ見てるね」と言われびっくり。別の子ザルと思いっきり目が合いました。しかしわたくしのデジカメは相当古いし重いですよ。160万画素しかないレトロなカメラですよ。そんなんでいいのか子ザルよ。もちろんあげませんけどね!
アイフルに出てくるチワワですら怖がる動物嫌いの相方もこのサルには大喜びで、「ああこのサルだったら3時間でも見ていられる」というほど楽しゅうございました。しつこいですがもう1度いいます。ウルワツ寺院はサルです。
十二分にサルを満喫してから最終目的地・ジンバランへ。ジンバランのシーフード屋台、通称「イカン・バカール」は、ジンバランの海岸沿いに同じようなシーフードのお店がずらりと並んでいる比較的新しい観光名所です。ちょうどここへ着いたのが夕方18時過ぎ、「ウルワツもいいけどここで夕陽を見るのが最高ですね」とタンカスが言っていたので、時間もぴったり。マブダチも「よし!間に合った」とガッツポーズ。あれ、もしかして私らがサルに見とれてて結構あせってた?
砂浜で夕陽をじっくり堪能して、それからお目当てのシーフード。「店先で好みの魚やエビ・イカなどを選び、その場で調理してもらう」とのことだったのですが、実はオプショナルで申し込んだ場合には最初からもう何が出てくるのか決まっているのでした。飲み物だけオーダーして、後はどうしたら良いのかしらん、と思っていたらすぐにごはんと空芯菜を炒めたものと、焼いた魚やエビなどがのったプレートが出てきちゃった。ちょっと拍子抜け。確かにとても美味しかったですが、やっぱり思いきり食べたいならツアーじゃなくて自分たちで選んだ方がよろしいかもしれませんね。
わたし達のテーブルの近くに、サーファーらしき日本人の男の子達10人くらいのグループがいて超にぎやか。日本と同じノリでビンタンビール一気飲み大会になっておりました。若いなあ、と思って見ていたらどこからともなく流しの楽団が。ギターにパーカッション、ウッドベースにボーカルと結構本格的。だって砂浜でウッドベースだよ? 
最初はオージーのグループでストーンズの曲なんかやって拍手喝采だったのですが、次にその日本サーファーチームのところにやってきた! さあどうするサーファー団、何をリクエストするんだろう?とわくわくしていたら、どういうやりとりがあったのかわからないけれどいきなりその楽団が「乾杯」を演奏し始めてびっくり。若者よ長渕をリクエストしたのかね。そりゃあもうみんな肩組んで大合唱ですよ。バリの浜辺で星空のもと、「乾杯」を聴くとは思いもよらなんだ。しかも普段どちらかというと長渕先生からは逃げ腰タイプの相方が、「けっこういい曲だねえ」とかしみじみ感動してるからまたびっくり! その楽団、クライマックスの「きーみにー、しーあーわせー、あー、あー、あー・・・。れー 」もちゃんとコピってました。素晴らしい。ウチんとこ来たら何リクエストしようか、とドキドキしていたら来てくれませんでした。しょぼん。
そんなこんなな3日目でした。今日も日記長過ぎだなこりゃ。あと2日半分あるんですけどいつ終わるんでしょう。

*1:電車はない。ベモというデンパサール中心に走っているバスがあるらしいのだが見かけずじまい