それぞれのお別れのしかた。

sayokom2005-07-17

昨日16日、橋本さんの告別式に行ってまいりました。暑かった。ちゃんとお別れをすれば自分でも納得がいくかと思いきや、流れるようにお焼香をしただけで幸か不幸か橋本さん自身と対面することは叶わなかったので、ちゃんとお別れが出来たのかどうか自分自身心許ないのですが。
灼熱の太陽の下じっと出棺を待っている間、
「相変わらずみんなして破壊王を待ってる。いっつも待たせるのは破壊王だ。あの扉からスタンドカラーのボタンを3つくらい開けて、汗をダラダラ流しながらいい香りがする白檀の扇子をバタバタさせて、『待った?いやあ悪い悪い』とか言いながら、全てを許してしまわざるを得ないあの最高の笑顔で破壊王が出てくる、絶対に」
と考えていたのだけれど。
あの暑さの中お別れをいいにきたたくさんのファンの皆様、私が言うのも大層僭越なのですが本当にお疲れ様でした。皆さんが体調を悪くされたりするんじゃないかと心配でした。そして遠くから破壊王にお別れをいった数え切れないたくさんの方々。あの場にいた私たちと同じくらい、その気持ちは間違いなく橋本選手に届いているはず。
前の日の全日本後楽園大会、メイン後に武藤選手が言った「橋本、死んじゃったよ。」の言葉。追悼試合の間中涙が止まらなかった小島選手。ハッスルの会場で涙をこらえて腰を振りハッスルポーズする小川選手。みんな、それぞれのお別れのしかたがあるんだと思います。じゃあ私はどうしたらいいんだろ?と思うのですが、相変わらずこうやって日記やら何やらでくどくどと破壊王の思い出を綴ったり、追悼番組の進行をつとめさせて頂いたりすることが破壊王への最後のご奉公なんだなあと思っています。
この夜の追悼特番では懐かしい週プロの佐藤前編集長に来て頂いたのですが、聞かせて頂いたエピソードはやっぱりとても破壊王らしくて素敵だった。かつて、極寒の空の下、道場そばの多摩川べりで橋本選手のインタビューをしたことがあったそうなのですが、その後破壊王が「寒いだろ、佐藤さん。風邪引くよ。道場の風呂入っていきなよ」と言って下さったんだそうです。そんなこと言ってくれたレスラーは橋本選手が最初で最後だと、涙をこらえて佐藤さんは話してくれた。本当に、破壊王のエピソードはどれも笑っちゃうほど面白い話ばかりで、ちょっと泣ける。
今はもう破壊王は白い箱の中にちんまりと収まってしまっているのかと思うと、本当に信じられない。でも生きている人間は生きている限りやらなきゃいけないことがたくさんある。

そして毎日はつづいてく 丘を越え僕たちは歩く
美しい星におとずれた夕暮れ時の瞬間 せつなくてせつなくて胸が痛むほど
「ぼくらが旅に出る理由」by小沢健二

そう、毎日は続いていくんだから。心に真白なハチマキを締めて、拳を腰の横でぎゅっと握りしめて、花道をのしのしと歩いていこうと思います。