泣いてなんかない悔しくなんかない絶対あきらめない。

ZERO-ONE後楽園大会でした。大丈夫なんだろかZERO-ONE、という不安もあったのですがお客さんはよく入ったと思います。なかなか感動的な大会でした。タイトルは全試合後に大谷選手がバルコニーで発表したプロレスの教科書2ページです。
第2試合に例の中国人格闘家、王拳聖(おう・けんしょう)登場。中国国歌にのって五星紅旗掲げて入場したのですが、お客さんは好意的。試合は、「趙雲子龍とは流派が違うんだな」というイメージでした。試合後波口くんが持ってた日の丸を足蹴にしたりしたのでさすがにブーイングが飛びましたけど、無理矢理悪者にしなくてもいいんじゃないかと思うんですけど。
今日のベストバウトは第5試合のスペルクレイジーvs日高郁人。非常に美しく的確でよく考えられた上質な試合でした。ルチャの華やかさに、ECWのハードコアが巧く合わさって、五感のすみずみに染み渡るよな試合。クレイジーは南側バルコニーの入り口に上ってそこからケブラーダですよ! リングには椅子をたった1脚持ち込んで、それを自由自在に使う。コーナーに据え付ける、ロコモーションの吊り天井から叩きつける、ありとあらゆる使い方。椅子が生きているような、そこで息をしているかのような存在感でした。負けちゃった日高選手も充実感たっぷりの表情でコメントを。クレイジーは船木さんと並ぶ自分にとっては大きな存在であるということ。ただ額を叩き割るような試合ではなく、サイコロジーであるということ。いかにお客さんを、相手を上回るか四六時中考えて出来たのがこのスタイル、自分が一番やりたいECWスタイルなんだと、瞳をキラキラさせて喋ってくれました。こないだの大阪プロレスの時にも書いたんだけど*1やっぱり一生懸命プロレスのことを考えている選手は絶対にそれが伝わるんだと思います。日高選手もそういう選手だと思います。敬意を表して今日の画像はパイプ椅子。
セミの耕平vsコリノのタイトルマッチは、レフェリーシャツに「AWA OFFICIAL」とでっかくプリントされしかもメガネなし仕様のナカムラさんが、高速カウントでコリノ勝利。みな呆然。あれえナカムラさんじゃなかったのかな? そっくりさん?
メインは大谷・坂田組vs大森・田中組という、まだ見ぬ強豪オスカー・デイヴィッドの策略による試合。コールがやたら噛むなあと思って見たら、リングアナの沖田さん既に号泣状態。明らかに、何かが迫っている試合であることを否応なく理解してしまう。特に仲間割れもなく、それぞれの選手が懸命に盛り上げて、結果的には大森・田中組勝利。その後噂の白覆面が犬綱を引きずったままリングインしマスク脱いで「小原道由ZERO-ONEだ!」と叫ぶも微妙な雰囲気に。
で、今日の本当のメインはその後の大谷選手のマイク。「皆さんにお話ししなければいけないことがあります」とリング外のゴタゴタを謝罪。何があろうと自分はこのZERO-ONEを守り抜くことを宣言したのですが、「俺たちは橋本真也に捨てられたんじゃない、旅立ったんだ!」と、破壊王からの巣立ちを匂わせる発言も。「ホッシーに力をわけて下さい」という高岩選手の涙ながらのマイクもあり、最後はコリノやスパンキーもリングインしての「3,2,1,ZERO-ONE」で締め。
どんなに頑張ってもどうにもならないことがあるっていうのはとても辛いことだ。頑張っている人が必ず報われるとも限らないらしい。でも、それでも大谷晋二郎を信じてゆきたい。大谷選手が報われるように、美味しいお酒が飲める日が来ますようにと心から祈っています。

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