2024-01-01から1年間の記事一覧

あと1年2ヶ月、まだ1年2ヶ月。~新日本プロレス10.14両国大会

それは突然の発表だった。新日本プロレス10.14両国大会第6試合、棚橋弘至デビュー25周年記念試合と銘打たれた試合後。ひとりリングに残った棚橋選手はマイクを持ち、再来年の1.4、2026年1月4日東京ドームでの引退を発表した。師匠でもある武藤敬司選手がかつ…

ようこそ、おかえりなさい、ふく面ワールドリーグ ~みちのくプロレス10.11後楽園大会

イホ・デ・アレブリヘ選手がふく面ワールドリーグにやってきた! みちのくプロレスのふく面ワールドリーグが7年ぶりに始まった。4年に1度開催されていたのが、前回2020年がコロナ禍で当然のことながら世界中からマスクマンが集まってくることが出来ずに中止…

どの地獄と戦うか、決めるのは自分だ。~スターダム10.2後楽園

どれだけ言葉を尽くしても伝わらない思いを、プロレスラーはリング上で戦うことで相手に伝えることが出来る。その関係を、うらやましいな、と思うことがある。安全なところから見ている私たちにはたどり着けない、心と体を賭して相手と向かい合うプロレスラ…

25周年はしつこい、29周年はめんどくさい ~大日本10.1後楽園

レモンと塩とわさびとからしにまみれたアブドーラ小林選手は「いいとんかつじゃねえか!」と叫んだ。こういう時のアブドーラ小林選手の言語センスは図抜けている。試合終盤に負ったケガのインパクトがかなりあって、試合が決した後もお客さんはどよめいてい…

情熱と覚悟と武知海青選手。~DDT 9.29後楽園大会

THE RAMPAGEの武知海青さんのプロレスラーとしての第2戦がDDT後楽園大会で行われた。初戦は今から7ヶ月前の2月25日。今回も後楽園は超満員札止め、いつもより1オクターブ高い歓声が第1試合から響く。 彰人選手と勝俣選手によるDDT EXTREME選手権は伝説の蛍光…

「優里佳!チャンピオンだよ!」と桃野選手は叫んだ ~センダイガールズ9.27新宿大会

センダイガールズプロレスリングのリングには、強くてかっこよくて、自分もこんなふうに戦いたい!と思える選手たちが集っている。そもそもセンジョを率いてきた里村明衣子選手が、凜として誇り高くて強くて純粋で、いつご一緒してもこちらの背筋が伸びる、…

not elegant から6年。棚橋弘至×ケニー・オメガ

2019年1.4東京ドームで闘った“あの二人”が、約5年9カ月ぶりに禁断の「再会」……。棚橋弘至×ケニー・オメガ※近日公開予定@tanahashi1_100 @KennyOmegamanX#NJPW #AEW #njWD pic.twitter.com/LQi3bLUvvA — 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2024年9月2…

戦場の巨大深海生物 〜プロレスリングBASARA9.24新木場大会

プロレスリングBASARAの新木場大会はこの夏から、1ヶ月に2回行われている。どちらも飲み放題の「宴」というスタイルなのだが、蒼宴、といういつものBASARAと、緋宴、というハードモードの2つのスタイルに分けられることになった。で、24日に行われたのが緋宴…

ガンバレ☆プロレスは青春だ ~ガンプロ9.23横浜大会

メイン後に石井選手が締めようと思ったら大家さんが登場、ブーイングを喰らうも2025年4月11日の後楽園大会を発表! ガンバレ☆プロレスには青春のほろ苦さがある。デビューしたばかりの若い選手からキャリア20年を越える選手まで、みんないつも少しずつ悔しい…

努力しても届かない世界は果たしてどこにあるか〜さくらえみvs中島翔子

さくらえみは恐ろしいひとだ。いや、わかってはいたけれど、改めてその恐ろしさに畏怖した、東京女子プロレス9.22幕張メッセ大会の第6試合、さくらえみvs中島翔子の一戦だった。 努力のひと中島翔子と、開拓者のさくらえみ。事前にこの試合とお互いについて…

「林下詩美はこんなもんじゃないよな」とMIRAI選手は言った

女子プロレス団体マリーゴールドでは現在、2ブロック制のシングルのリーグ戦が行われている。旗揚げから3ヶ月、両国国技館大会、ジュリア選手の退団と渡米と短い間に大きなニュースが続いた。そしてこれからが、プロレス団体マリーゴールドの日常になる。 桜…

血、汗、涙。FREEDOMS15周年

バキューン! 血と汗と涙と愛に溢れたFREEDOMS15周年記念横浜武道館大会だった。メインイベントが終わったリング上にはあり得ない数の大量のフォークとハサミと画鋲とノコギリが散らばっていて、そんな中でみんなが笑っていた。 FREEDOMSはいつも家族のよう…

清宮選手と大岩選手の約束。

2023年9月から1年間、国内武者修行としてプロレスリングNOAHのリングに上がっていた大岩陵平選手が、9月14日後楽園大会でNOAHラストマッチを行った。対戦相手は大岩選手をNOAHに導いてくれた、NOAHのスーパーノヴァにして現GHCヘビー級王者、清宮海斗選手だ…

プロレスリングBASARA9.11新宿大会

プロレスリングBASARAの興行に行くのは楽しい。まず、お客さんがとても楽しそうだ。新木場で行われている「宴」というシリーズはお酒飲み放題なので、それはもう盛り上がる。コロナ禍を経て通常の興行が開催できるようになってもなかなかお酒を飲みながらの…

正義は必ず勝つ、負けたら?

©春場ねぎ・講談社/『戦隊大失格』ザ・ショー製作委員会 「戦隊大失格」ザ・ショー のゲネプロを取材させて頂いた。少年マガジンで連載中のコミックスの舞台化で、なんといっても戦闘員F役で新日本プロレスのエル・デスペラード選手が舞台初出演なのだ。 ww…

ヒロム選手が挑む無差別級。

プロレスの日常のリングの上では、選手はヘビーもジュニアヘビーも入り交じって戦っている。でも、団体トップのベルトは「IWGP世界ヘビー級」とか「三冠ヘビー級」のように、体重別になっていることが多い。でも、NEVERは無差別級だ。無差別級、英語でいうと…

paint it black ~黒く塗れ

上谷沙弥選手が黒い不死鳥になって1ヶ月少し経つ。今でもまだ心構えが出来ていなくて、上谷選手の新しい入場曲が鳴るとちょっとドキドキしてしまう。少しシャープになった体躯と黒のコスチューム、蠱惑的な表情に引きつけられる。 華やかなビジュアルに恵ま…

ウナギ・サヤカと鈴木みのるは根っこが同じ。

2023年1月のサムライTV新春特番のゲストは、ウナギ・サヤカ選手と鈴木みのる選手だった。その時がほぼ初対面だったにも関わらず、お二人はなんとなく波長が合ったようで、番組が終わった後はどういう話の流れだったか1989年3月に愛知県で行われた伝説の第1試…

ちいさいまま大きくなる

我闘雲舞でメインイベントが終わって「一番好きな人」の曲がかかると、いつもなんだか泣きそうになる。「今日もそろそろーお別れの時間」で始まる曲に乗せて、胸に大きく名前を書いた色とりどりのTシャツを着た選手たちが、所属もゲスト選手も関係なく入り交…

ゴングは鳴らされた

「来いよ高山! 立ち上がってこいよ! 悔しかったら立ち上がって俺の顔を蹴っ飛ばしてみろよ高山!」 顔をくしゃくしゃにして叫び続ける鈴木みのる選手と、必死に身体を起こそうとする高山善廣選手。レフェリーの京平さん。リングサイドの選手たち、満場のお…

30年前の僕らは胸を高鳴らせて「LIFE」を聴いてた

「LIFE」をどういうシチュエーションで初めて聴いたか、というのははっきりと覚えていて、それは静岡のキャンプ場のコテージに置かれた赤いCDラジカセからだった。当時わたしは静岡のテレビ局でアナウンサーをしていたのだけど、キャンプに連れて行ってもら…

カフェ ヴィヴモン ディモンシュと私。

それは本当に偶然の出来事だった。 私には長い文章を書くのにお気に入りの場所がいくつかあって、中でも神楽坂を上がった先にあるラカグというカフェは、開放的な雰囲気に美味しいコーヒーがあって居心地が良かった。大きな一枚板のテーブルの片隅でプロレス…