飯伏幸太主演「大怪獣モノ」を見ました

sayokom2016-06-10


河崎実監督、飯伏幸太主演で7月16日土曜日から公開される「大怪獣モノ」を一足早く関係者試写で見せて頂きました。まあどうしても飯伏選手中心に見てしまうのですが、飯伏選手のプロレスラー人生を早回しで見ているような、ドキドキしてワクワクしてそれでいてちょっと切なくなる、そんな映画でした。
この先はネタバレはしていませんが、映画見るまでは出来るだけ情報を入れたくない!という方は公開後にまた読みにいらして下さいね。





何者でもなかった飯伏幸太が(そもそも最初は姿形が飯伏幸太ですらないんだけれども)力を手に入れ、巨大化し、有名になり、マスコミに追いかけられ、我を見失い、そして悩み、逃亡する。「巨大化したい」「有名になりたい」と普段から言っていた飯伏幸太の欲望を、この映画はそのまま、叶えてくれています。格闘シーンは言うまでもなく見応えがあるし、鋭く怪獣に突き刺さる打撃も美しいフェニックススプラッシュも、もんどり打ってアスファルトに突っ伏す受け身も、真っ逆さまに落とすパワーボムも(あれはさすがに怪獣が気の毒になったし怪獣が伊橋剛太選手に重なった)、それは私たちが普段見ているリング上の飯伏幸太選手の姿そのままです。

実は私は2004年に河崎実監督が西村修選手主演で公開した「いかレスラー」を劇場で見ているのですが、あれも他の誰でもなく西村選手がいかになることに意味があった。不治の病を宣告されて引退したレスラーが修行の末にいかレスラーになって戻ってくる、というのは言うまでもなく、ガンを克服してリングに帰ってきた西村選手だから説得力があったしそうなる必然性があったんだと今改めて思います。

今回、飯伏選手が「大怪獣モノ」の主演を務めたのはもちろんそのビジュアルの良さや格闘センスあってのことだと思いますが、監督が意図されたのかどうかはわからないけれど、その主人公の栄光と悩みはそのまま、現実のプロレスラー飯伏幸太の栄光と悩みに繋がります。地球を救った、みんなに感謝された、人気者になった、それで…?という。だからプロレスラー飯伏幸太をずっと見続けてきた人は、たぶんこの映画を見ていろいろと感じることがあると思います。

もちろん、河崎実監督ですから映画自体は笑いどころ満載で、社会ネタを取り込んでそれをシュールな笑いに変えたり、豪華絢爛なカメオ出演だったり、特撮の歴史への敬意だったり、サービス精神がたっぷりです。

プロレスファン的にはまずオープニングロールで泣けると思います。それから鈴木みのる選手の登場の仕方がものすごくカッコ良い。圧倒的な説得力と存在感、技の見事さ。赤井沙希さんの伸びやかな肢体とアクション、そしてキュートさ。どこからともなく現れる村田晴郎さんの実況と、その隣にいて何の説明もされないモジャモジャのひと(台詞もないのに表情だけで魅せるさすがの本職ぶり)。

そして地球を救う最終兵器の、これまた圧倒的な安心感と癒し力ときたら! ここにも歴史と先達への敬意がありました。

大怪獣モノの造形がそもそもオシャレだし(バオバオ感ある)、飯伏選手へのフェティシズムが炸裂しているし、個人的にはぶっさんが注射されて痛がってるシーンがかなりツボにはまりました。私たちがずっと見てきた飯伏選手も、まだ見たことがない飯伏選手も、ここにいます。

飯伏ロスに悩む人も、特撮ファンの方も、それぞれの楽しみ方が出来るのが「大怪獣モノ」だと思います。公開は7月16日土曜日から。詳しくは公式HPをチェックして下さいね。
「大怪獣モノ」
【映画】大怪獣モノ 公式サイト